
【共働き】子育て世帯の収納計画と間取りのコツで家事がしやすい住まいに
この記事の執筆者
代表取締役 川野 孝之
キャリア16年 / 住宅ローンのスペシャリスト
1級FP技能士 / CFP / 貸金業務取扱主任者
上場不動産会社・金融機関での店長経験を活かし、お客様の利益を最優先する取引を徹底しています。物件の長所・短所を包み隠さずお伝えするのが私のスタイルです。YAMADAグループの特典も活用し、購入後も安心が続く住まい探しを全力でサポートします。
共働きで子育てをしながら暮らしていると、毎日の家事と育児に追われ、気づけば家の中が片付かないまま時間だけが過ぎてしまいがちです。
その原因の多くは、頑張り不足ではなく、間取りや収納計画が今の暮らし方に合っていないことにあります。
そこで本記事では、共働き子育て世帯に向けて、家事と子育てを同時進行しやすくする間取りのコツと、日々の片付けがぐっとラクになる収納計画の考え方を分かりやすく解説します。
これから新築やリフォームを検討している方はもちろん、今の住まいを少しでも改善したい方にも役立つ内容です。
まずは、共働き子育て世帯ならではの暮らし方の特徴から、一緒に整理していきましょう。
共働き子育て世帯の間取りと収納の基本
共働きで子育てをしている世帯では、朝と夜に家事と育児が集中しやすく、時間と気持ちの余裕がなくなりやすいと言われています。
具体的には、朝の出勤・登園前と、帰宅後の調理・入浴・寝かしつけの時間帯に動きが重なりやすく、片付けまで手が回らないことが多いです。
そのため、間取りを考える際には、まずこの忙しい時間帯の過ごし方を整理し、どこで何をすることが多いかを明確にすることが出発点になります。
家族それぞれの動き方をイメージしておくと、後の収納計画も立てやすくなります。
次に大切になるのが、家事動線・育児動線と収納場所をできるだけ近づける考え方です。
洗濯物を干す・しまう、保育園や学校の持ち物を出し入れするなど、毎日繰り返す動きの近くに収納があると、片付けの負担はぐっと小さくなります。
反対に、動線から離れた場所にしまい場所があると、「あとで片付けよう」と置きっぱなしになり、散らかりやすくなってしまいます。
そのため、「よく通る経路のそばにしまう場所をつくる」という視点で、間取りと収納の関係を考えることが重要です。
国土技術政策総合研究所のガイドラインでは、子育て世帯の住まいづくりにおいて、家事のしやすさや動線計画が重要な配慮事項とされています。
また、共働き子育て世帯を対象とした住宅研究では、収納そのものの量よりも、「必要な場所に必要な収納があること」が暮らしやすさにつながるという結果が示されています。
さらに、フルタイム共働き子育てファミリーの調査では、衣類や日用品の「たたむ・しまう」が十分にできていないと感じる人が多く、収納位置の工夫が家事時間の短縮に役立つとされています。
これらの調査結果から、間取りを検討する際は、収納量だけでなく、収納の位置と家事のしやすさを優先して考えることが大切だと言えます。
| 時間帯 | 主な家事・育児内容 | 重視したい収納の位置 |
|---|---|---|
| 朝の出勤・登園前 | 身支度・持ち物準備 | 玄関周りの身支度収納 |
| 帰宅直後 | 荷物片付け・手洗い | 動線上の一時置き収納 |
| 夕食後から就寝前 | 調理・片付け・入浴 | 水回りと近接する収納 |
家事と子育てを同時進行しやすい収納計画のコツ
まずは、キッチン・ダイニング・リビングそれぞれの役割を整理しながら、家事と子どもの見守りを同時に行いやすい配置を意識することが大切です。
国のガイドラインでも、子どもの様子を確認しやすい対面キッチンや、家事をしながら見守りができる家事スペースの設置が推奨されており、視線と動きがつながる計画が重視されています。
そこで、調理道具や食器、学用品やおもちゃなどを、使う場面ごとに「料理ゾーン」「配膳ゾーン」「見守りゾーン」に分けて収納場所をまとめると、片付けの戻し先も分かりやすくなります。
こうしたゾーニングをしておくと、夕方の慌ただしい時間帯でも、動きにムダが少ない暮らしに近づきます。
次に、洗濯から室内干し、収納までを短い移動で完結できるように、動線と収納のつながりを考えることが重要です。
国の住環境整備事業では、子育てに必要な収納の確保や、家事をしながら子どもを見守れる家事スペースの設置が、改修の対象項目として示されており、洗濯関連の家事を一か所に集約する考え方が取り入れられています。
例えば、洗面脱衣室や室内干しスペースの近くにファミリークローゼットを配置し、干す場所の隣に衣類の収納をまとめることで、「運ぶ」「たたむ」の手間を減らすことができます。
共働き世帯向けの事例でも、洗濯・干す・たたむ・収納をつなげた動線が、家事時間の短縮に役立っていると紹介されています。
さらに、保育園や学校用品、おもちゃ、配布物など、子育て期に増えやすい物は「家に入る場所の近く」に集約し、出し入れをしやすくしておくことが片付けの負担軽減につながります。
子育て配慮型住宅のガイドラインでも、玄関付近に手洗い設備や収納をまとめることで、帰宅時の導線をスムーズにし、日々のストレスを減らす住まい方が提案されています。
具体的には、玄関脇に園や学校用品の定位置を用意し、カバンや上着、提出書類を家族で共有しやすい棚にまとめると、リビングへの持ち込みを減らせます。
こうした「入り口周りの収納計画」を整えることで、忙しい共働きの毎日でも、家の中が散らかりにくい仕組みをつくることができます。
| 場所 | 主な役割 | 収納計画のポイント |
|---|---|---|
| キッチン・ダイニング周り | 調理と配膳・見守り | 料理・食事・学習用品のゾーニング収納 |
| 洗面脱衣・室内干し周り | 洗濯と乾燥・身支度 | 干す場所とファミリー収納の一体計画 |
| 玄関周り | 出入りと持ち物管理 | 園・学校用品と書類の集約収納 |
子どもの自立を助ける「片付けやすい」間取りと収納
子どもが自分で片付けやすい住まいにするためには、年齢に応じて手が届きやすい高さや、日常の動きに沿った収納位置を計画することが重要です。
国土技術政策総合研究所のガイドラインでは、子どもの行動特性に配慮した住まい方の工夫が求められており、安全性と自立支援の両立が重視されています。
そのため、幼児期は床から低い位置に、学齢期以降は動線上の出入口近くに収納を分けるなど、成長に合わせた柔軟な計画が欠かせません。
このように、収納の「量」よりも、子どもが使う場面に合った「位置」と「高さ」を意識することが、片付けやすさにつながります。
また、学習や在宅勤務の時間が増える中で、ワークスペースまわりの収納計画も重要になっています。
国土交通省の住生活基本計画では、住宅内でのテレワークやワーキングスペースの整備が、子育て世帯の暮らしを支える方策のひとつとして位置付けられています。
そのため、リビング学習を行う場合は、教科書やノート、文房具をまとめてしまえる棚やワゴンを机の近くに設けると、片付けの負担が軽くなります。
在宅勤務の道具や配線類は、扉付き収納や配線孔を備えた棚にまとめることで、子どもの動線と交差しにくくなり、安全性と見た目のすっきり感を両立しやすくなります。
さらに、共働き子育て世帯では、衣類やおもちゃなどの「一時置き」の場がないことが、散らかりやすさの一因とされています。
積水ハウス総合住宅研究所の調査では、フルタイム共働き子育て世帯の中で、衣類を「たたむ」「しまう」家事に満足できていない人が多く、動線の近くに大型収納を設けることへのニーズが高い結果が示されています。
そのため、帰宅後すぐに荷物や上着を仮置きできる場所や、リビングに近い家族共用収納を計画することで、片付け残しを減らしやすくなります。
一時置きスペースと家族共用収納を組み合わせることで、子どもが物の「定位置」を理解しやすくなり、自分から進んで片付ける習慣づくりにもつながります。
| 子どもの年齢層 | 収納高さと位置 | 間取り計画のポイント |
|---|---|---|
| 未就学児 | 床から低い棚・扉なし収納 | 遊ぶ場所のすぐ近くに収納 |
| 小学校低学年 | 腰の高さ前後の棚・フック | 通学動線上の玄関近くに収納 |
| 小学校高学年以降 | 目線から腰の高さの棚 | 学習スペース周辺に集中収納 |
将来の暮らしに対応する収納計画と間取りの基本的な考え方
共働き子育て世帯では、子どもの成長や働き方の変化に合わせて、住まいに求める機能が少しずつ変わっていきます。
国のガイドラインでも、将来の家族構成の変化に対応できる住宅の可変性を確保することが重要とされています。
例えば、個室が必要になる時期や在宅勤務が増える時期には、収納や間仕切りの使い方を変えることで暮らしやすさを保ちやすくなります。
そのため、新築やリフォームの段階から、可動棚や後から設置しやすい建具、用途を変えやすいフリースペースなどを計画に組み込んでおくことが大切です。
また、調査研究では、共働き子育て世帯の多くが「収納量」そのものよりも「片付けやすさ」や「家事のしやすさ」を重視していることが指摘されています。
特に、洗濯や片付けなど毎日発生する家事については、使用場所の近くに収納をまとめることで、将来の暮らしの変化があっても時間と手間を抑えやすくなります。
たとえば、子どもの衣類や学用品を、成長に合わせて高さを変えられる棚に収めておけば、自分で出し入れしやすい状態を長く保つことができます。
このように、可変性のある収納は、家族全員の自立を促しつつ、家事負担の軽減にもつながります。
さらに、共働き世帯では、季節用品や防災備蓄品、まとめ買いした日用品など、置き場所に悩みやすい物も増えがちです。
国のガイドラインでは、災害への備えとして、日常生活と防災備蓄を両立できる収納計画の工夫が求められています。
そのため、玄関や土間、納戸まわりには、季節物や備蓄品、外で使う物などを一括管理できる可動棚付きの収納を設けておくと、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなります。
出し入れの頻度や重さに応じて棚の高さや位置を変えられるようにしておくと、将来の暮らしの変化にも柔軟に対応できる住まいになります。
| 計画の視点 | 具体的な工夫 | 将来への効果 |
|---|---|---|
| 収納の可変性確保 | 可動棚や後付け建具 | 家族構成変化への柔軟対応 |
| 家事のしやすさ重視 | 使用場所近くの収納配置 | 家事時間の短縮と負担減 |
| 備蓄と季節物管理 | 玄関や納戸の大容量収納 | 防災対策と物量増加に対応 |
まとめ
共働きで子育てをしながら快適に暮らすには、「家事と育児の動線上に収納をつくる」ことが何より大切です。
収納量よりも、片付けやすい位置や高さを整えることで、毎日の「探す・運ぶ」の負担がぐっと減ります。
将来の働き方や子どもの成長も見据えた間取りにすれば、模様替え感覚で使い方を変えられ、長く暮らしやすさが続きます。
当社では、現在の暮らし方や持ち物量を丁寧にヒアリングし、共働き子育て世帯に合った収納計画と間取りをご提案しています。
「わが家に合う間取りを一緒に考えてほしい」と感じた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。